行定勲監督が語る映画『浮雲』の魅力とオススメポイント!【オー!!マイ神様!!】

「オー!!マイ神様!!」(17/10/03放送)に映画監督、行定勲さんが登場じ、もっともオススメする作品「マイ神」といして映画「浮雲」をあげました。そのオススメポイントなどをまとめました。

 

目次

「オー!!マイ神様!!」とは

出会ってからずっと心に居座り、尊敬し愛してやまない“マイ神”の魅力を伝える神様プレゼンバラエティー。(番組HPより)

MC

・田中裕二さん(爆笑問題)

・カズレーザーさん(メイプル超合金)

 

ゲスト・行定勲

言わずと知れた映画監督です。

代表作

「世界の中心で、愛を叫ぶ」

「GO」

などなど、数々の名作を世に送り出しています。

 

マイ神・映画『浮雲』

行定勲監督が、愛してやまない映画、それは成瀬巳喜男監督の『浮雲』です。

作品情報

1955年公開

監督 成瀬巳喜男

主演 高峰秀子 森雅之

・黒澤明監督が選んだ100本の映画の内の1本

・小津安二郎監督が「俺には撮れない」と語る

登場人物

ゆき子 富岡の不倫相手

富岡 農林省技師

邦子 富岡の妻

おせい 清吉の妻

清吉 おせいの夫

あらすじ

冒頭

富岡ゆき子がベトナムで出会い、恋に落ちる。

富岡は日本に帰ったら、妻邦子と別れると約束するが、富岡は別れなかった。

序盤1

ゆき子は日本に帰ってくると、富岡が別れていないことを知る。

そこで生活のために、米兵の娼婦に堕ちる。

そのことを知った富岡ゆき子の元へ行き、不倫関係が復活する。

序盤2

不倫関係のさなか、富岡ゆき子は温泉旅行にいく。

そこで飲み屋を経営する夫婦、清吉おせいに出会う。

そこで、富岡おせいは男女の関係になる。

中盤1

ゆき子の妊娠が発覚する。そのことを富岡に伝えにいくと、富岡おせいと同棲していた。

ゆき子は、中絶をすることに。

その間に、おせいは恋に狂った清吉に殺害されていた。

中盤2

さらに、邦子が病気で亡くなる。

おせい邦子、二人と死に別れたその直後、富岡ゆき子に会いにいく。

それは邦子の葬式代を貸してもらうためだった。

ゆき子はそれでも、金の工面をする。

終盤

この後は、映画を見てのお楽しみということで番組では語られませんでした。

ただ行定監督いわく、感動するということです!

ですが、気になる人は↓のネタバレを開いてください。

[wpex more="気になる人はネタバレを開く" less="閉じる"]

ゆき子富岡が屋久島に勤めにいくことを知り、ついていくことに。

しかし、旅の途中でゆき子は体調が悪くなり、屋久島に着いた時には歩くこともままならないほどになっていた。

富岡が山での仕事をしている最中、ゆき子の容体が急変した知らせがとどく。

急いで戻る富岡であったが、帰ったときにはゆき子はもう死んでしまっていた。

ゆき子と二人きりになった富岡は、泣きながらゆき子の唇に紅をのせてやった

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行定勲監督のオススメポイント

今見るべき究極の恋愛映画と語り、

見たことの無い人のことを『羨ましい』とまで語る『浮雲』の魅力です。

オススメポイント①

富岡とおせいが出会ったとき、目配せのみで合図を送り合うシーンです。

ふたりが、男女4人がお酒を交わしているとき、富岡とおせいだけが、視線を合わせます。

その間が絶妙で、ふたりにしか分からないけど惹かれあっているという時間を見事に表現しています。

オススメポイント②

説明的な台詞をカットする。

下の文章は『浮雲』の実際の脚本です。

ゆき子「あなたの奥さん、見なければよかった。いい人なのね。じろじろ私の頭のてっぺんから爪先まで見てたけど、どうして、前歯に金歯なんかはめてるの?」

富岡「……(とり合わない)」

ゆき子「とても私を見て厭な笑い方をしてたわ。そしたらチカっと金が光って……私よりずっと年上の方ね。」

富岡「いやに絡むね。」

ゆき子「金歯なんか前に入れてる奥さんと、キッスするなんて、ぞっとするわ……

富岡「(あくび)もう何時だ……

  外套をとり、内ポケットから丸めた札束を出す

富岡「千円ある。これのあるうちに、働くとこを何処でも見つけないさい。部屋はまた何とか探すから…」

  と帰り支度

赤文字の部分は、実際にはカットされた部分となります。

説明的な台詞をカットすることで、役者に感傷的な感情持たせなくする。

そのことにより、観客は引きずり込まれていくそうです。

オススメポイント③

行定監督が好きな台詞

二人が歩いているときゆき子が呟いた台詞です

「私たちって行くところがないみたいね・・・」

決め台詞でもなんでもないが、タイトル『浮雲』にかかっており、印象に残った台詞だということです。

ちなみに、このシーンが好きすぎて、行定監督の最新作「ナラタージュ」で

主人公がその映画を見ているシーンを作ったということです!

 

以上、行定監督が語る『浮雲』の魅力でした!

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