音楽Pが選ぶ2018上半期スゴイ曲ランキング(動画付)【関ジャム】
「関ジャム 完全燃SHOW」(18/07/15放送)で売れっ子音楽プロデューサーである、蔦谷好位置、いしわたり淳治、mabanuaの3人が2018年上半期でスゴイと思った曲ベスト5を発表したのでまとめました。
音楽プロデューサーが選ぶ2018年上半期スゴイ曲ランキング
18年7月15日放送「関ジャム 完全燃SHOW」で発表されたランキングです。
売れっ子音楽プロデューサーである蔦谷好位置さん、いしわたり淳治さん、mabanuaさんが2018年上半期でスゴイと思った曲ベスト5を選びました。
YouTubeに公式動画があるものは貼り付けてあります。
過去のランキングはこちらです。
⇒売れっ子音楽Pが選ぶ2017年ベストソングトップ10【関ジャム】
⇒売れっ子音楽Pが選ぶ2016年ベストソングトップ10【関ジャム】
2018年全体のランキングが発表されました。
⇒音楽Pが選ぶ2018年ベストソングランキング(動画付)【関ジャム】
蔦谷好位置が選ぶ2018年上半期スゴイ曲ランキング
5位 BAD HOP「Kawasaki Drift」
選んだポイント
彼らは全員が川崎出身の元不良の集まりで、地元のことや体験してきたことをリアルにラップしている。
いつの時代も若者の行き場のない憤りを音楽のエネルギーに変えてきた歴史はあるが、彼らもまた音楽に出会ったことで光を見つけたのだと思う。
トラックは現在世界を席巻しているトラップのビードで、ラップも最新のフロウを取り入れ、ファッションも非常にスタイリッシュ。
彼らがiTunes総合チャートで上位にいることが当たり前になったのが、非常に今を感じます。
4位 BTS(防弾少年団)「FAKE LOVE」
選んだポイント
アジア圏出身のアーティストが母国語で全米ビルビードアルバムチャート1位になったことは今年上半期の最も大きなニュースです。
これまでに韓国のアーティストたちが切り開いてきた道をしっかりと歩んできた結果だと思います。
メロディーが昨年ブレイクしたポスト・マローンの「rockstar」に少し似ているのですが、それも現在のラップシーンと歌唱を上手く融合させたポスト・マローンの手法や今の音楽シーンをとても研究しているものです。
3位 向井太一「Siren」
選んだポイント
R&Bを歌うのに絶対的に必要な条件の一つに色気があげられます。彼は歌声、歌唱法、ルックス、佇まいと必要な色気を全て兼ね揃えているシンガーです。tofubeatsによるミディアムなブギートラックも見事で、一音一音のチョイスが絶妙でそれらが織りなされることにより、シンプルなループ構成にドラマ性を生んでいます。
2位 SOIL&"PIMP"SESSIONS 「comrade feat. 三浦大知」
選んだポイント
SOIL&"PIMP"SESSIONSは元々インストのジャズバンドですが、今回のアルバムはガラっとスタイルを変えてヒップホップやR&B的アプローチをしている曲が多数ありました。
ジャズバンドとしてしっかりとした実績を持つ彼らが予定調和ではないコラボレーションでやや閉鎖的な日本のシーンに一石を投じる金字塔的作品です。
1位 サカナクション「陽炎-movie version-」
選んだポイント
この曲のメロディーは最初から最後まで5つの音しか使われていません。5つの音だけ使うペンタトニックスケールの曲というのは世界中の民謡や動揺、ポップソングに数え切れないほどありますが、この曲はその5音でいかに仕掛け、その中でいかに遊び、そして耳に残る強烈な曲にするかに挑戦したような曲に感じます。
技術、知識、経験をしっかりと持った上でさらに想像を爆発させた怪曲です。
いしわたり淳治が選ぶ2018年上半期スゴイ曲ランキング
5位 星野源「ドラえもん」
選んだポイント
これほど長い歴史のある「ドラえもん」という作品を真正面から向き合うのは覚悟のいることです。星野源というアーティストの今の時代における無敵感、余裕、ある種の凄みのようなものを感じる、"事件"だと思いました。
4位 湘南乃風「やめちまぇ!」
選んだポイント
サビ頭の「やめちまぇ!」というインパクトの強い言葉、そこから逆説的に応援歌として展開していく歌詞世界。曲が流れた瞬間、たった一言で聞き手の耳をさらっていくような、瞬発力のある素晴らしい言葉選びだと思いました。
3位 Hump Back「拝啓、少年よ」
選んだポイント
歌いだしでハッとさせる言葉と声とメロディー。いわゆる流行と無縁の場所で、憧れや夢やロマンといったかつてのロックが本来持っていた美しさや強さを、若い3人の女性が3つの楽器だけで完璧に表現していて素敵です。
2位 宇多田ヒカル「初恋」
選んだポイント
一回聞いただけで意味がわかるけど、あまり聞いたことが無い表現。「どれくらい好き?」の答えとしてとても秀逸なキラーフレーズが連打されています。
1位 竹原ピストルズ「どーん!とやってこい、ダイスケ!」
選んだポイント
聴いた瞬間、日本のどこかで替え歌になって歌われている画が浮かびました。一般的に替え歌には二種類あります。一つはただの悪ふざけの替え歌で、もう一つは「いとしのエリー」に代表されるような歌詞中の名前を「好きな人」の名前に変えて歌うような歌う人にとって実用的な替え歌です。
サビで「どーん!とやってこい」と繰り返し、最後に名前をいう。このシンプルなメロディと歌詞はみんなで合唱しても、一人で歌っても、きっと素敵な贈り物になるのではないでしょうか。
mabanuaが選ぶ2018年上半期スゴイ曲ランキング
5位 サカナクション「陽炎-movie version-」
選んだポイント
サカナクション印のメロディーやカラーはありつつも、80’s Boogie的なブラックミュージックのテイストが色濃く出ていて、ブラックミュージックが好きな僕としてはビビっときました。
あと、この曲のドラマは「トリガー」という手法を使い、生ドラムと打ち込みのドラムを混ぜて鳴らしているらしく海外流行り始めた手法なのですが、サカナクションは日本でいち早く取り入れたらしいです。
4位 KID FRESINO「Coincidence」
選んだポイント
一言で言えばHIPHOPの法則に囚われないことをやろうとしているのが魅力的です。日本語と英語を巧みに混ぜたリリックに耳を引かれてよくよく聴いてみると後ろのトラックとラップのリズムが綿密にリンクしていて、ただ同じリズムの上で延々ラップするわけではなく、すごく全体のアレンジを見据えて構築されている。
3位 Superorganism「Everybody Wants To Be Famous」
選んだポイント
サイケデリックなサウンドの中にロックやエレクトロミュージック、ヒップホップなど様々なジャンルが混ざっている。まさに「ノンジャンル」なバンド。
メンバーの中に複数ソングライターがいたり、サウンドエンジニアがいたり、なぜか3人コーラスがいたり、既存のバンド形態に囚われないところも面白いです。
2位 星野源「ドラえもん」
選んだポイント
この曲の面白さはとにかく質感。今やポップスではリバーブ、エコー(残響効果の手法)という空間を表現するエフェクターは当然のようにしようされていますが、星野源はほぼ空間系の処理をしていない。最近のJ-POPのヒット曲では珍しいと思います。
リーバブをかけず、短い音にすることで歯切れが良くなりリズムが立ち、曲がたいとになっていきます。これが星のさんの楽曲にキレを生み出している要因だと思います。
1位 カネコアヤノ「祝日」
選んだポイント
歌詞がすごく好きです。選ぶワードに一癖二癖あって一度聴くと忘れられない。
あと、Aメロからサビまで、感情に合わせて変幻自在に歌声を変えられるところも曲のストーリーが伝わってきて面白いです。
以上音楽プロデューサーが選ぶスゴイ曲ランキングでした!